2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問3 (ユニットA 問3)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問3(ユニットA 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 全圧とは、静圧と位置圧の和をいう。
  • 水の粘性係数は、空気の粘性係数より大きい。
  • ピトー管は、流速の測定に用いられる。
  • レイノルズ数が大きくなると、乱流になる。

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この過去問の解説 (2件)

01

流体に関する問題です。

選択肢1. 全圧とは、静圧と位置圧の和をいう。

全圧とは、静圧と動圧の和をいう

 

水平管中に一定に流体が流れているとき、流れがある物体によってせき止められ、速度がゼロとなる点があるとした場合、これをよどみ点と言い、その圧力をPT、物体前の圧力をPS、速度をvとします。

PT=PS+1/2・ρv2

この式が、ベルヌーイの定理より成立します。

1/2・ρv2 は、流れがせき止められることで上昇した圧力で、動圧です。

PS は流体の圧力で、静圧です。

PT は、全体の圧力で、全圧です。

 

問題文の位置圧は、よどみ点における、位置エネルギーを圧力としたときのものです。

選択肢2. 水の粘性係数は、空気の粘性係数より大きい。

問題文の内容通りです

 

水と空気の粘性係数の値を下表に示します。

温度(℃)空気

粘性係数

μ [Pa・s]

動粘性係数

ν [m2/s]

粘性係数

μ [Pa・s]

動粘性係数

ν [m2/s]

01.792×10-31.792×10-617.1×10-613.2×10-6
250.8900.80318.2
500.5480.55419.317.8
700.4040.41319.8
7520.5
1000.2820.29421.623.0

選択肢3. ピトー管は、流速の測定に用いられる。

問題文の内容通りです

 

ピトー管は、管路中に置いた2重管の先端に小穴を設け、そこの圧力が全圧、管壁側に小穴を設け、そこの圧力が静圧です。

全圧と静圧の差から、動圧を求め、流速が求められます。

選択肢4. レイノルズ数が大きくなると、乱流になる。

問題文の内容通りです

 

配管中の流体の流れが、層流から乱流に遷移するときの流速が、臨界速度で、遷移するときのレイノルズ数が臨界レイノルズ数です。

レイノルズ数が小さいときは層流で、レイノルズ数が大きくなると乱流となります。

層流:Re<2000

乱流:Re>4000

臨界レイノルズ数:Re=2320、実用的には3000が目安です。

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02

流体(空気・水)の基礎でよく問われるのは、この4つです。

 

1.全圧の定義:全圧=静圧+動圧(位置圧を含むのは「全水頭」)

2.粘性係数 μ:流体の“ねばり”。水 ≫ 空気

3.ピトー管:全圧−静圧=動圧 → 流速Vを求める装置

4.レイノルズ数 Re:慣性力/粘性力。Re大→乱流、小→層流

 

それぞれをシンプルな式と一緒に押さえておくと、応用問題にも対応できます。

選択肢1. 全圧とは、静圧と位置圧の和をいう。

全圧とは、静圧と位置圧の和をいう。

 

流体力学での「全圧」は、

全圧 Pt = 静圧 Ps + 動圧(1/2 ρV²)

を指します。

 

一方、「位置圧(位置水頭)」は重力による位置エネルギーで、

・これを含めたものは 全水頭(total head) と呼ばれます。

 全水頭 = P/(ρg) + V²/(2g) + z

 

したがって、「静圧+位置圧」は全水頭の構成要素であり、
全圧の定義ではない ため、この選択肢は誤りです。

選択肢2. 水の粘性係数は、空気の粘性係数より大きい。

水の粘性係数は、空気の粘性係数より大きい。

 

粘性係数 μ は「流体のねばりの強さ」を示す物性値で、

 

水(20℃) :μ ≈ 1.0×10⁻³ Pa・s

空気(20℃):μ ≈ 1.8×10⁻⁵ Pa・s

 

となり、水のほうが空気より桁違いにねばい(μが大きい) ことが分かります。

 

注意点としては、

動粘性係数 ν=μ/ρ では密度の影響が入るため、
水と空気の大小関係が逆転する場合がある点です。

試験では「粘性係数 μ なのか、動粘性係数 ν なのか」に注意しましょう。

選択肢3. ピトー管は、流速の測定に用いられる。

ピトー管は、流速の測定に用いられる。

 

ピトー管は、

・停止点圧(全圧) Pt

・静圧 Ps

の差から動圧を求め、それを使って流速Vを算出する測定器です。

 

V = √{ 2 (Pt − Ps) / ρ }

空調ダクト・配管内の流速測定に広く用いられ、
「全圧=静圧+動圧」の概念をそのまま利用する代表的な装置です。

選択肢4. レイノルズ数が大きくなると、乱流になる。

レイノルズ数が大きくなると、乱流になる。

 

レイノルズ数 Re は、

Re = ρVD / μ = VD / ν

(ρ:密度、V:流速、D:代表長さ、μ:粘性係数、ν:動粘性係数)

で表される、慣性力/粘性力の比 を示す無次元数です。

 

・Re が小さい:粘性の影響が大きく、流れは 層流(なめらか)

・Re が大きい:慣性が支配的になり、流れは 乱流(かき混ざった状態)

 

円管内流れの目安としては、

 

・Re ≲ 2,000:層流

・Re ≳ 4,000:乱流

 

がよく用いられます。

 

まとめ

・全圧:静圧+動圧。位置圧まで含むのは「全水頭」。

・粘性係数 μ:水 ≫ 空気(ねばりは水の方が大きい)。

・ピトー管:全圧−静圧=動圧から流速Vを測る。

・レイノルズ数 Re:大きくなると乱流、小さいと層流。

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