2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)前期
問49 (ユニットF 問1)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)前期 問49(ユニットF 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

工程表に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
  • ガントチャート工程表は、各作業の現時点での進行状態を棒グラフで示した図表である。
  • バーチャート工程表は、工期に対する各作業の影響の度合いが正確に把握できる。
  • ネットワーク工程表は、フロート(余裕時間)がわからないため、配員計画を立てにくい。
  • タクト工程表は、同じ作業を繰り返し行う場合に用いられる。

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この過去問の解説 (2件)

01

工程表に関する問題です。

選択肢1. ガントチャート工程表は、各作業の現時点での進行状態を棒グラフで示した図表である。

問題文の内容通りです

 

ガントチャートは、各作業の完了時点を100%とし、横軸に達成度、縦軸は作業項目を取り、達成度では現在の進行状況を棒グラフで表します。

作業の現時点での進行状態が、容易に分かります。

選択肢2. バーチャート工程表は、工期に対する各作業の影響の度合いが正確に把握できる。

バーチャート工程表は、工期に対する各作業の影響の度合いが把握できない

 

バーチャートは、縦軸に作業項目、横軸に日付を取り、作業ごとに着手日と終了日間を横線で結びます。作業の流れが左から右に移行するため、作業間の関係が分かりやすいのが特徴です。

ただし、作業ごとの工期に対する影響の度合いが、把握できない欠点があります。

選択肢3. ネットワーク工程表は、フロート(余裕時間)がわからないため、配員計画を立てにくい。

ネットワーク工程表は、フロート(余裕時間)がわりやすいため、配員計画を立てやすい

 

2つ以上のアクティビティが集まる結合点に、各アクティビティが到達する時刻に差があり、最も遅く到達するアクティビティ以外は、時間低余裕があり、これがフロートです。

 

ネットワーク工程表はこのようにアクティビティと結合点が結ばれてできているため、フロートは分かりやすく、余裕時間から配員計画が立てやすい工程表です。

選択肢4. タクト工程表は、同じ作業を繰り返し行う場合に用いられる。

問題文の内容通りです

 

タクト工程は、直列に連結された作業を工区ごとに繰り返し作業されるときに使われる工程表です

この工程は、全く同じ工法と作業量で実施される前提の工程で、各作業で待ちが生じないで、一定のサイクルで工程を繰り返すことができます。

 

例えば、基準階が何階もある高層建築物では、同一作業が繰り返し行われます。

作業の後工程の差票も繰り返されるため、繰り返し作業は効率的に行うことができ、タクト工程が作成されます。

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02

工程表は目的に応じて使い分けます。次の「3タイプ+特徴」をで覚えてください。

・ガント(バーチャート)工程表
作業を横棒で表し、進捗が一目で分かる → 見やすい・現場管理向き

・ネットワーク工程表(CPM/PERT)
作業間の先行・後続関係やフロート・クリティカルパスが分かる → 工期分析向き

・タクト工程表
同じ作業を各階・各住戸で繰り返すときに使う → 繰返し施工の平準化

この問題は
「バー工程表では“影響度”までは読めない」
「ネットワーク工程表では“フロートが分かる”」
というポイントを押さえておけばOKです。

選択肢1. ガントチャート工程表は、各作業の現時点での進行状態を棒グラフで示した図表である。


ガントチャート工程表は、各作業の現時点での進行状態を棒グラフで示した図表です。

 

ガントチャート(バーチャート)工程表は、

・横軸:日付(時間)

・縦軸:作業項目
として、各作業を横棒で表し、棒の長さや塗りつぶしで進捗状況を示します。

現時点の進行状態を視覚的に把握しやすく、
現場の進捗会議・朝礼などで非常によく使われます。

ただし、作業の先行・後続関係までは十分に表現できません。

選択肢2. バーチャート工程表は、工期に対する各作業の影響の度合いが正確に把握できる。


バーチャート工程表は、工期に対する各作業の影響の度合いが正確に把握できる。

 

バーチャート工程表は「見やすい」のが長所ですが、

・どの作業が遅れると工期全体にどれだけ影響するか

・どの作業に余裕(フロート)があるか

・クリティカルパスはどこか

といった “影響度”や“余裕時間” は読み取りにくい形式です。

工期への影響度を正確に把握するには、
ネットワーク工程表(CPM/PERT) のほうが適しています。

選択肢3. ネットワーク工程表は、フロート(余裕時間)がわからないため、配員計画を立てにくい。


ネットワーク工程表は、フロート(余裕時間)がわからないため、配員計画を立てにくい。

 

むしろ ネットワーク工程表の大きな長所はフロートが分かること です。

最早開始時刻・最遅終了時刻を求めることで、

・全体余裕(TF)

・自由余裕(FF)
などのフロートが算出できます。

これにより、

どの作業に余裕があり、どの作業が遅れると工期に直撃するか

が明確になり、配員計画や重機配分もしやすくなります。

選択肢4. タクト工程表は、同じ作業を繰り返し行う場合に用いられる。


タクト工程表は、同じ作業を繰り返し行う場合に用いられる。

 

タクト工程表は、

「高層ビルの基準階工事」

「マンションの各住戸内装工事」

のように、「同じ作業を複数区画で順番に繰り返す」 場合に最適な工程表です。

作業隊が一定のリズム(タクト)で次の区画に移動することで、

・手待ち時間の減少

・作業の平準化

・全体工程の安定化
が期待できます。

まとめ

・バー(ガント)工程表:見やすいが、工期への影響度までは読み取りにくい。

・ネットワーク工程表:フロート・クリティカルパスが分かる工程分析ツール。

・タクト工程表:繰返し施工を“リズム化”して効率UP。

 この問題では

「バー工程表で影響度が正確に分かる」

「ネットワークでフロートが分からない」
誤り です。

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