2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)前期
問50 (ユニットF 問2)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)前期 問50(ユニットF 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

機器の据付けに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
適当でないものは二つあるので、二つとも答えなさい。
  • 揚水ポンプの吐出し側には、ポンプに近い順に、防振継手、仕切弁、逆止め弁を取り付ける。
  • ファンコイルユニットの床置形は、一般的に、室の外壁の窓下等に据え付ける。
  • 送風機の振動が躯体に伝搬するおそれがある場合は、防振基礎とする。
  • 埋込式アンカーボルトとコンクリート基礎の端部は、50mm程度離す。

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この過去問の解説 (2件)

01

機器の据付けに関する問題です。

選択肢1. 揚水ポンプの吐出し側には、ポンプに近い順に、防振継手、仕切弁、逆止め弁を取り付ける。

揚水ポンプの吐出し側には、ポンプに近い順に、防振継手、逆止め弁、仕切弁を取り付ける

 

ポンプ吐出側には、逆止め弁、仕切弁、圧力計を取付け、振動や騒音の恐れがあるときは、吐出側に同口径の防振継手を取付けます。

選択肢2. ファンコイルユニットの床置形は、一般的に、室の外壁の窓下等に据え付ける。

問題文の内容通りです

 

ファンコイルユニットの床置き形は、部屋の外壁の窓面に沿って据付け、壁面より50~60 mm離し、固定金具で壁か床に堅固に据付けます。

選択肢3. 送風機の振動が躯体に伝搬するおそれがある場合は、防振基礎とする。

問題文の内容通りです

 

大型の送風機、振動や音響が問題になるときは、防振ゴムまたは、防振スプリングを使います。

防振基礎は、共通架台と基礎の間に、機器の回転数や荷重を考慮し、防振ゴムや防振スプリングを挿入します。コンクリート基礎の上面は、モルタルで水平に仕上げます。

選択肢4. 埋込式アンカーボルトとコンクリート基礎の端部は、50mm程度離す。

埋込式アンカーボルト表面とコンクリート基礎の端部は、50mm以上離す

 

アンカーボルト中心とコンクリート基礎端部の距離をCとし、アンカーボルトの径をd とすると、

C-d/2 ≧ 50 mm

とします。(建築設備耐震設計・施工指針より)

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02

機器据付け問題は、次の3つを軸に押さえます。

ポンプ吐出側のバルブ・継手の“並び順”

ファンコイルユニットの設置位置(窓下ペリメータ)

防振基礎・アンカーボルトの端部離れ(エッジ距離)

特に「逆止め弁と仕切弁の位置関係」「アンカーと基礎端部の離れ」を
イメージしながら覚えると忘れにくくなります。

選択肢1. 揚水ポンプの吐出し側には、ポンプに近い順に、防振継手、仕切弁、逆止め弁を取り付ける。


揚水ポンプの吐出し側には、ポンプに近い順に、防振継手、仕切弁、逆止め弁を取り付ける。

 

正しい吐出側の並びは、

ポンプ → 防振継手 → 逆止め弁 → 仕切弁

です。

逆止め弁:ポンプに近い位置に設けて

・停止時の逆流防止

・水撃(ウォータハンマ)の緩和

・逆転防止
を行います。

仕切弁(止水弁):その下流側に配置し、系統の遮断・保守作業を行いやすくします。

提示の順序「防振継手 → 仕切弁 → 逆止め弁」は、保守性・安全性の面で不適切です。

選択肢2. ファンコイルユニットの床置形は、一般的に、室の外壁の窓下等に据え付ける。


ファンコイルユニットの床置形は、一般的に、室の外壁の窓下等に据え付ける。

 

床置形ファンコイルユニットは、

・外壁の 窓下(ペリメータゾーン) に設置するのが一般的です。

・目的は、窓面からの冷輻射やコールドドラフトを防ぎ、外気負荷を直接抑えることです。

施工上は、
・壁から数cm(例:50〜60mm)離して設置

・配管やドレンの勾配・点検空間も確保

といった点に留意します。

選択肢3. 送風機の振動が躯体に伝搬するおそれがある場合は、防振基礎とする。


送風機の振動が躯体に伝搬するおそれがある場合は、防振基礎とする。

 

送風機は回転機器のため、振動が躯体に伝わると、

・騒音・振動障害

・共振による機器損傷
などの原因となります。

そのため、

コンクリート基礎を打設し、その上に防振ゴム・防振スプリングなどを介して機器を載せる

 防振基礎 とするのが一般的です。

さらにダクト接続部には 防振継手(フレキシブルジョイント) を設け、振動伝播を抑えます。

選択肢4. 埋込式アンカーボルトとコンクリート基礎の端部は、50mm程度離す。


埋込式アンカーボルトとコンクリート基礎の端部は、50mm程度離す。

 

アンカーボルトと基礎端部の距離(エッジ距離)は、

・端部から50mm以上 が必要とされます。

・建築設備耐震設計・施工指針では、例えば
C − d/2 ≧ 50mm
(C:ボルト中心〜基礎端部距離、d:ボルト径)
のような規定で示されます。
 

50mm「程度」ではなく、“50mm以上”が条件 であり、
実務ではひび割れ・抜け防止のため、より余裕を持たせることも多いです。

まとめ

・ポンプ吐出側:ポンプ → 防振継手 → 逆止め弁 → 仕切弁(逆止め弁がポンプ寄り)

・床置ファンコイル:窓下ペリメータに設置して外気負荷を緩和

・送風機:防振基礎+防振継手で振動を遮断

・アンカーボルト:基礎端部から 50mm以上 離して埋め込む

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