2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問24 (ユニットC 問1)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問24(ユニットC 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

飲料用給水タンクに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • FRP製パネルタンクには、FRPを表面材とし合成樹脂発泡体を心材としたサンドイッチ構造のものがある。
  • ステンレス鋼鈑製パネルタンクは、タンク上部の気相部に塩素が滞留しやすいため耐食性に優れたステンレスを使用する。
  • 鋼製タンク内面は、防食処理として一定の膜厚を形成したエポキシ樹脂等の樹脂系塗料を施す。
  • 給水タンクのオーバーフロー管には、衛生上有害なものが入らないように、トラップを設ける。

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この過去問の解説 (2件)

01

飲料用給水タンクに関する問題です。

選択肢1. FRP製パネルタンクには、FRPを表面材とし合成樹脂発泡体を心材としたサンドイッチ構造のものがある。

問題文の内容通りです

 

プラスチック製タンクは、ほとんどがガラス繊維で補強した、FRP製です。

FRP製タンクは、軽量で施工性に富み、耐食性・耐候性に優れ衛生的です。

FRP製は、屋外に設置すると、日光によって内部に藻が生えたり、紫外線で劣化する欠点を有します。

FRP製タンクは、結露防止のために、合成樹脂発泡体を芯材として、両表面をFRPで挟んだサンドイッチ構造とします

選択肢2. ステンレス鋼鈑製パネルタンクは、タンク上部の気相部に塩素が滞留しやすいため耐食性に優れたステンレスを使用する。

問題文の内容通りです

 

ステンレス鋼鈑製タンクには、一体型とパネル形がありますが、パネル形が多く使われます。

ステンレス製はさびにくく強度が大きいというメリットがある反面、加工性が鋼板製に比べ劣るというデメリットもあります。

ステンレス鋼鈑製パネルタンクは、タンク上部の気相部には塩素が溜まりやすいため、ステンレス製は、耐酸性に優れた好材料です。

選択肢3. 鋼製タンク内面は、防食処理として一定の膜厚を形成したエポキシ樹脂等の樹脂系塗料を施す。

問題文の内容通りです

 

鋼板製タンクの水槽内上部の気相部で使用するボルト・ナット・補強材は、塩素ガスによる腐食防止のため、合成ゴムや合成樹脂で被覆した部材を使用します。タンク内面でも同様に腐食の可能性があるため、樹脂系塗装も効果が期待できます。

選択肢4. 給水タンクのオーバーフロー管には、衛生上有害なものが入らないように、トラップを設ける。

給水タンクのオーバーフロー管には、衛生上有害なものが入らないように、間接排水とする

 

給水タンクのオーバーフロー管の管端は、間接排水とし、管端の開口部には金網を付けて防虫対策とし、オーバーフロー管からは、衛生上有害なものが入らないようにします。

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02

飲料用給水タンクの問題は、次の型を押さえておくと確実に得点できます。

 

・FRPパネルタンク:サンドイッチ構造・軽量・耐食性

・ステンレスタンク:気相部での塩素環境に強く衛生的

・鋼製タンク:内面にエポキシ樹脂などの防食塗装

・オーバーフロー管:間接排水(自由吐出)で、

 トラップは絶対に設けない

 

特に「タンク排水にトラップを設ける」というのは頻出のひっかけです。
タンク排水にトラップは不可と覚えておいてください。

選択肢1. FRP製パネルタンクには、FRPを表面材とし合成樹脂発泡体を心材としたサンドイッチ構造のものがある。

「FRP製パネルタンクには、FRPを表面材とし合成樹脂発泡体を心材

 としたサンドイッチ構造のものがある。」
 

FRP(繊維強化プラスチック)製パネルタンクは、

 

・軽量で施工性が良い

・耐食性・耐候性に優れる

 

といった長所があり、飲料用タンクによく用いられます。


さらに、合成樹脂発泡体(断熱材)を心材とし、FRPでサンドイッチした構造

とすることで、断熱性・強度・結露防止性を高めたパネルも一般的です。

選択肢2. ステンレス鋼鈑製パネルタンクは、タンク上部の気相部に塩素が滞留しやすいため耐食性に優れたステンレスを使用する。

「ステンレス鋼鈑製パネルタンクは、タンク上部の気相部に塩素が滞留

 しやすいため耐食性に優れたステンレスを使用する。」
 

飲料水には残留塩素が含まれるため、タンク上部の気相部では、

 

・塩素ガス

・結露

・温湿度差

 

により腐食が生じやすい環境になります。


ステンレス鋼(SUS304やSUS316など)は、このような気相部の腐食環境

に強く、衛生性・耐食性に優れた材料として飲料用タンクに適しています。

選択肢3. 鋼製タンク内面は、防食処理として一定の膜厚を形成したエポキシ樹脂等の樹脂系塗料を施す。

「鋼製タンク内面は、防食処理として一定の膜厚を形成したエポキシ樹脂等

 の樹脂系塗料を施す。」
 

普通鋼製タンクはそのままでは腐食するため、

 

・エポキシ樹脂塗装

・樹脂ライニング

 

などを所定の膜厚で内面に施工し、飲料水の衛生性と防食性を確保します。


あわせて、気相部のボルトなども樹脂被覆部材を使用し、塩素ガスによる

腐食対策を行います。

選択肢4. 給水タンクのオーバーフロー管には、衛生上有害なものが入らないように、トラップを設ける。

「給水タンクのオーバーフロー管には、衛生上有害なものが入らない

 ように、トラップを設ける。」
 

給水タンクのオーバーフロー管・排水管は、

 

・間接排水(自由吐出)とし

・吐出口に空気間隙(エアギャップ)を設け

・防虫網で虫の侵入を防ぐ

 

のが原則です。

トラップを設けると、

 

・水たまり部に汚れや雑菌が滞留しやすい

・詰まり・逆流の原因

 

となるため、給水タンク側にはトラップを設けてはいけません

まとめ

・FRPタンク:サンドイッチ構造で断熱・耐食に優れる

・ステンレスタンク:気相部の塩素環境に強く衛生的

・鋼製タンク:内面にエポキシ樹脂等を塗装して防食

・オーバーフロー管:間接排水が原則で、トラップは設けない

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