2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問25 (ユニットC 問2)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問25(ユニットC 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

保温材に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • JIS規格では、ホルムアルデヒド放散量に応じた等級区分が示されている。
  • グラスウール保温材は、ポリスチレンフォーム保温材に比べて、高温域で使用できる。
  • ロックウール保温材は、耐火性に優れ、配管等の防火区画の貫通部等に使用される。
  • ポリスチレンフォーム保温材は、人造鉱物繊維保温材である。

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この過去問の解説 (2件)

01

保温材に関する問題です。

選択肢1. JIS規格では、ホルムアルデヒド放散量に応じた等級区分が示されている。

問題文の内容通りです

 

ホルムアルデヒド放散(JISA9504)等級表を以下に示します。

区分記号内容
F☆☆☆☆等級F☆☆☆☆

ユリア樹脂、メラミン樹脂、

フェノール樹脂、

レゾルシノール樹脂

は使用しない。

F☆☆☆☆等級F☆☆☆☆放散速度5以下
F☆☆☆等級F☆☆☆放散速度20以下
F☆☆等級F☆☆放散速度120以下

選択肢2. グラスウール保温材は、ポリスチレンフォーム保温材に比べて、高温域で使用できる。

問題文の内容通りです

 

グラスウール保温材とポリスチレンフォーム保温材の比較表です。

種類使用温度上限温度適正防湿性耐炎性
低温常温高温

グラスウール

保温材

350℃

ポリスチレン

フォーム

保温材

保温板 80℃

保温筒 70℃

ロックウール

保温材

保温板 600℃

フェルト400℃

 

◎:最適、〇:使用可、△:やや不適、-:使用不可

選択肢3. ロックウール保温材は、耐火性に優れ、配管等の防火区画の貫通部等に使用される。

問題文の内容通りです

 

前問の保温材の比較表を参照ください。

選択肢4. ポリスチレンフォーム保温材は、人造鉱物繊維保温材である。

ポリスチレンフォーム保温材は、発泡プラスチック保温材である

 

ポリスチレンフォーム保温材は、ビーズ法ポリスチレンフォーム保温材と押出法ポリスチレンフォーム保温材があり、発泡プラスチック保温材(JIS A 9511)です。

発泡プラスチック保温材は、他に、硬質ウレタンフォーム保温材、ポリエチレンフォーム保温材、フェノールフォーム保温材があります。

 

発泡プラスチック保温材には、A種とB種があります。

A種は、発泡剤として炭化水素、二酸化炭素などを用います。

B種は、発泡剤にフロン類を用います。

 

ポリスチレンフォーム保温材は、A種です。

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02

保温材の問題は、材質の分類と性質で整理しましょう。

 

・無機繊維系(グラスウール・ロックウール)
 → 高温域OK・耐火性◎・不燃材

 

・有機発泡系(ポリスチレンフォーム・ウレタンフォームなど)
 → 軽量・断熱性◎だが耐熱は低く、燃えやすいものもある

 

・ホルムアルデヒド放散等級(F★★★★など)
 → 建材全般に適用され、保温材も対象

 

ポリスチレンフォームを“人造鉱物繊維”と分類するのは誤りです。

選択肢1. JIS規格では、ホルムアルデヒド放散量に応じた等級区分が示されている。

「JIS規格では、ホルムアルデヒド放散量に応じた等級区分が示されている。」
 

建築材料のホルムアルデヒド放散量は、JISによって

 

・F★★★★(最も放散量が少なく、使用制限なし)

・F★★★

・F★★

 

などの等級区分で管理されています。


保温材もこの区分の対象であり、F★★★★が最も安全な等級として扱われます。

選択肢2. グラスウール保温材は、ポリスチレンフォーム保温材に比べて、高温域で使用できる。

「グラスウール保温材は、ポリスチレンフォーム保温材に比べて、高温域で使用できる。」
 

・グラスウール(無機繊維系):耐熱温度は概ね 300〜350℃ 程度

・ポリスチレンフォーム(有機発泡系):耐熱温度は 70〜80℃ 程度

 

となり、高温に強いのは無機繊維系です。


「高温域=グラスウール(ロックウール)」と覚えましょう。

選択肢3. ロックウール保温材は、耐火性に優れ、配管等の防火区画の貫通部等に使用される。

「ロックウール保温材は、耐火性に優れ、配管等の防火区画の貫通部等

 に使用される。」
 

ロックウールは、

 

・耐火性・不燃性に優れる

・高温配管・防火区画の貫通部処理に最適

 

という特徴があり、防火用途の定番材料です。


建築・設備いずれの試験でも、この使い方はよく問われます。

選択肢4. ポリスチレンフォーム保温材は、人造鉱物繊維保温材である。

「ポリスチレンフォーム保温材は、人造鉱物繊維保温材である。」
 

ポリスチレンフォームは、

 

・発泡プラスチック保温材(有機系

・JIS A 9511 に分類される発泡プラスチック断熱材

 

であり、グラスウールやロックウールのような

無機系“人造鉱物繊維保温材”ではありません

 

まとめ

・F☆等級:ホルムアルデヒド放散量による建材区分

 (F★★★★が最もクリーン)

・グラスウール・ロックウール:無機繊維系で高温・耐火性に優れる

・ポリスチレンフォーム:有機系発泡プラスチック断熱材で、高温には不向き

・「人造鉱物繊維」は無機系(GW・RW)であり、 

 ポリスチレンフォームではない

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