2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問27 (ユニットC 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問27(ユニットC 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

ダクトに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • エルボの内側半径は、円形ダクトではダクトの直径の1/2以上とする。
  • ダクトの断面を拡大や縮小する場合、拡大角度及び縮小角度ともに45度以内とする。
  • 案内羽根(ガイドベーン)は、直角エルボ等に設け、圧力損失を低減する。
  • 共板フランジ用ガスケットは、弾力性のあるものを使用する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

ダクトに関する問題です。

選択肢1. エルボの内側半径は、円形ダクトではダクトの直径の1/2以上とする。

問題文の内容通りです

 

円形ダクトのエルボ部分の寸法は、プレス加工のベンド形エルボの場合、ダクトの直径をD、エルボの内側の半径をRとすれば、R ≧ (1/2)・Dとします。

 

口径の大きいときに使われる多節エルボ(えび形)の場合は、R ≧ D とします。

選択肢2. ダクトの断面を拡大や縮小する場合、拡大角度及び縮小角度ともに45度以内とする。

ダクトの断面を拡大や縮小する場合、拡大角度は15度以内、縮小角度は30度以内とする

 

ダクトの上流側の拡大は、15度以下とし、下流側で縮小する場合は、30度以下とします。

 

ダクトとコイルを連絡するときは、コイル上流側の拡大は最大30度、コイル下流側の縮小は最大45度とします。

これ以上角度が大きくなるときは、分流板を設けて、風量分布の平均化と、圧力損失の防止をします。

選択肢3. 案内羽根(ガイドベーン)は、直角エルボ等に設け、圧力損失を低減する。

問題文の内容通りです

 

長方形ダクトのエルボは、内側半径が小さいと乱流を生じて、圧力損失や大きな騒音を起こす可能性があります。エルボの内側半径はダクト幅の1/2 以上とします。

それができないときは、案内羽根付きエルボとし、案内羽根は1~3枚設け、羽根の板厚はダクトの板厚と同じとします。

 

エルボが直角エルボとなるときは、数枚の案内羽根を設けます。案内羽根には、薄形と厚形があり、直角部の寸法取りが変わります。

案内羽根の半径は、半の位置と枚数の位置決定図があるので、それを参考にします。

 

長方形ダクトの長辺をW、短辺をHとすれば、次のように案内羽根を設けます。

羽根枚数N  N=6×(H/W)-1

羽根間隔A  A=H/(N+1)

選択肢4. 共板フランジ用ガスケットは、弾力性のあるものを使用する。

問題文の内容通りです

 

共板フランジ工法は、ダクトの端部を折り曲げて形成した共犯フランジを、コーナー金具、フランジ押さえ金具を使い、4隅のボルト・ナットで接続する工法です。

フランジ部分のボルト締めが4隅だけなので、空気漏れが起きないように、適切なガスケットを選定します。

参考になった数28

02

ダクト設計の基本ルールの設問です。

・エルボは曲がりを“ゆるく”(半径を大きく)

・断面の拡大・縮小は、「拡大15°以内・縮小30°以内」が原則

・直角エルボには案内羽根(ガイドベーン)で整流

・共板フランジには弾力性ガスケットを用いて気密確保

 

選択肢1. エルボの内側半径は、円形ダクトではダクトの直径の1/2以上とする。

「エルボの内側半径は円形ダクトで直径の1/2以上とする。」
 

円形ダクトのエルボでは、内側半径Rは

 

R ≥ D/2(D:ダクト直径)

 

が最低基準です。

半径が小さいと、

 

・乱流の増加

・圧力損失の増大

・騒音の増加

 

につながるため、

できるだけ大きな曲がり半径(ロングラジアス)にする

のが望ましいです。

選択肢2. ダクトの断面を拡大や縮小する場合、拡大角度及び縮小角度ともに45度以内とする。

「ダクトの拡大・縮小は、拡大角度・縮小角度ともに45°以内とする。」
 

ダクトの断面変化(トランジション)では、

 

・拡大角度:15°以内

・縮小角度:30°以内

 

が標準的な基準です。

 

角度が大きいと、流れが剥離して乱流・圧力損失・騒音の原因になるため、
45°は大きすぎて不適切です。

選択肢3. 案内羽根(ガイドベーン)は、直角エルボ等に設け、圧力損失を低減する。

「案内羽根(ガイドベーン)は直角エルボに設ける。」
 

長方形ダクトの直角エルボでは、内側半径が不足しがちで、

 

・強い乱流

・圧力損失

・騒音増加

 

の原因になります。


これを防ぐために案内羽根(ガイドベーン)を設け、
流れを分割して滑らかに曲げる構造とします。

選択肢4. 共板フランジ用ガスケットは、弾力性のあるものを使用する。

「共板フランジ用ガスケットは弾力性のあるものを使用する。」
 

共板フランジ(TDC/TDF工法)は、フランジの締付け点が角部中心と

なるため、ガスケットの弾力・復元性が気密確保に重要です。

 

・発泡ゴム

・スポンジゴム

・その他弾性ガスケット

 

など、弾力性のある材料を用いるのが標準です。

まとめ

・エルボ:円形ダクトでは内側R ≥ D/2

・拡大15°以内/縮小30°以内が基本であり、「45°以内」は×

・直角エルボ:案内羽根で整流し、圧損・騒音を低減

・共板フランジ:弾性ガスケットで気密性を確保

参考になった数0