2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問31 (ユニットD 問3)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問31(ユニットD 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

品質管理に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 品質管理の目的は、設計図書等で要求された品質を満足するように施工することである。
  • 品質管理を行うと品質は向上するが、手直しが増加し原価が上がる。
  • 品質管理において、4つの段階PDCAを繰り返すことをデミングサークルという。
  • 主要機器の試験や防火区画の貫通処理は、全数検査とする。

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この過去問の解説 (2件)

01

品質管理に関する問題です。

選択肢1. 品質管理の目的は、設計図書等で要求された品質を満足するように施工することである。

問題文内容通りです

 

品質管理は、設計図書に示された品質を十分満足できるようなあらゆる業種で、問題点や改善点を見出しながら、最も経済的に制作するために、工事のすべての段階に統計的手法などを用いることです。

選択肢2. 品質管理を行うと品質は向上するが、手直しが増加し原価が上がる。

品質管理を行うと品質は向上し、手直しが減少し原価が下がる

 

品質管理は、設計・製作・施工・検査の各工程を通して、目標となる品質を満足させながら、いかに安く生産するという活動です。

施工では、無駄な作業がなくなり、手直しが減少することが達成できるため、原価も下がります。

選択肢3. 品質管理において、4つの段階PDCAを繰り返すことをデミングサークルという。

問題文内容通りです

 

建設生産の品質管理に当てはめると、以下となります。

P:目的に合ったものを作る計画。設計など品質標準を作る段階

D:品質標準に合った工事を行うための施工標準の作成段階

C:工事が計画目的や設計に合っているかを検査し、共用する段階

A:強要された工事が利用者に満足されているを調査し、結果による問題点の改善法を再検討する段階

P:前のAを受けて、Pを行い、DCAを繰り返すことで、品質が向上します。

PDCAをデミングサークルと言います。

選択肢4. 主要機器の試験や防火区画の貫通処理は、全数検査とする。

問題文内容通りです

 

全数検査が必要な場合は、次の通りです。

1) 工程の状態から不良率が大きく、あらかじめ決めた品質水準に達していないとき

2) 不良品を見逃すことで、人身事故のおそれがあったり、後工程などに重大な損失を与えるとき

3) 検査費用に比べ、得られる効果が大きいとき

 

主要機器の試験や防火区画の貫通処理は、隠ぺい部分となり、工事が完了すれば、後での検査ができず、万一貫通部分に異常があったときは、そこを破壊しない限り戻せないため、全数検査が必要です。

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02

品質管理は、

 

「設計図書で要求される品質を、ムリ・ムラ・ムダなく安定して達成する活動」

 

です。押さえておくべきポイントは次の3つです。

 

1.品質管理=手直しを減らし、結果として原価低減につながる

2.PDCAサイクル(デミングサークル)で継続的改善

3.重要部位(主要機器、防火区画の貫通部など)は全数検査

選択肢1. 品質管理の目的は、設計図書等で要求された品質を満足するように施工することである。

「品質管理の目的は、設計図書等で要求された品質を満足するように施工する

 ことである。」
 

品質管理の第一の目的は、

 

・設計図書・仕様書で要求された性能・品質を

・安定して再現できるように施工する

 

ことです。

品質は、検査だけでなく“事前の計画と標準化”で作り込む

という考え方が重要です。

選択肢2. 品質管理を行うと品質は向上するが、手直しが増加し原価が上がる。

「品質管理を行うと品質は向上するが、手直しが増加し原価が上がる。」
 

これは品質管理を誤解した典型的な記述です。


実際には、

品質管理の徹底
 → 不具合の未然防止・低減
 → 手直し(リワーク)が減る
 → 結果として原価は下がる

 

という関係になります。

 

検査・記録などの“管理コスト”はかかりますが、
総合的には原価低減につながるのが品質管理の狙いです。

選択肢3. 品質管理において、4つの段階PDCAを繰り返すことをデミングサークルという。

「品質管理において、4つの段階PDCAを繰り返すことをデミングサークル

 という。」
 

PDCAサイクル(デミングサークル)は、

 

・P(Plan:計画)

・D(Do:実行)

・C(Check:検証)

・A(Act:改善)

 

のループを繰り返すことで、品質を継続的に向上させる仕組みです。
建設業でも標準的な管理手法として用いられています。

選択肢4. 主要機器の試験や防火区画の貫通処理は、全数検査とする。

「主要機器の試験や防火区画の貫通処理は、全数検査とする。」
 

・主要機器の性能試験

・防火区画の貫通部の処理

 

は、万一不具合があると重大事故・重大欠陥につながる部分です。


また、防火区画の貫通部は後から見えなくなることも多く、

抜き取り検査ではリスクが高いため、原則として全数検査が行われます。

まとめ

・品質管理の目的:要求品質を確実に満たす施工を行うこと

・品質管理=手直し減 → 原価低減

・PDCA(デミングサークル)で継続的改善

・主要機器・防火区画貫通部など重要部分は全数検査が原則

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