2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問32 (ユニットD 問4)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問32(ユニットD 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

建設工事における安全管理に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 労働者が、就業場所から他の就業場所へ移動する途中で被った災害は、通勤災害に該当しない。
  • 地盤が軟弱な場所で移動式クレーンを用いる場合、転倒を防止するため必要な広さ及び強度を有する鉄板等を敷設した上に設置し作業を行う。
  • 熱中症予防のための指標として、気温、湿度及び輻射熱に関する値を組合せて計算する暑さ指数(WBGT)がある。
  • ツールボックスミーティングとは、関係する作業者が作業開始前に集まり、作業、安全等について話合いを行うことである。

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この過去問の解説 (2件)

01

建設工事における安全管理に関する問題です。

選択肢1. 労働者が、就業場所から他の就業場所へ移動する途中で被った災害は、通勤災害に該当しない。

労働者が、就業場所から他の就業場所へ移動する途中で被った災害は、通勤災害に該当する

 

「労働者災害補償保険法第7条」

第1項第3号:【 労働者の通勤による負傷、疾病、障害又は死亡通勤災害といいます)に関する保険給付 】

第2項:【 通勤とは、労働者が、就業に関して次の場合の移動が、合理的な経路や方法で行うことです。

1号:住居と就業の場所との間の往復

2号:省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動

3号:第1号での往復に先行、または後続する住居間の移動 】

選択肢2. 地盤が軟弱な場所で移動式クレーンを用いる場合、転倒を防止するため必要な広さ及び強度を有する鉄板等を敷設した上に設置し作業を行う。

問題文内容通りです

 

「クレーン等安全規則第70条の3(使用の禁止)」

【 地盤が軟弱、埋設物、他に地下にある工作物の損壊などで、移動式クレーンの転倒のおそれがある場所では、移動式クレーン転倒防止に必要な広さと強度がある鉄板が敷設され、鉄板上での移動式クレーン作業は可能です。

それ以外では、移動式クレーンを使った作業は行いません。 】

選択肢3. 熱中症予防のための指標として、気温、湿度及び輻射熱に関する値を組合せて計算する暑さ指数(WBGT)がある。

問題文内容通りです

 

厚生労働省「職場における熱中症予防対策マニュアル」より

【 作業場所が熱中症のリスクがあるかどうかを評価するため、気温だけでなく湿度、風速、輻射熱(放射熱)、身体作業強度、作業服の熱特性を考慮する必要があり、これらの因子をすべて考慮したWBGT(湿球黒球温度)指数の活用が有効です。 】

選択肢4. ツールボックスミーティングとは、関係する作業者が作業開始前に集まり、作業、安全等について話合いを行うことである。

問題文内容通りです

 

ツールボックスミーティングは、作業開始前にその日の業務をともに行う仕事仲間が集まって、その日行う業務内容から、安全作業について話し合うことです。

 

話し合いには、安全作業だけでなく、作業手順、品質活動も含まれます。

また、安全作業の話し合いでは、その日の作業内から、最も注意すべき仕事を取り上げ、危険予知活動を行い、危険度について共有します。

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02

安全管理でよく出るテーマです。

・災害区分:業務上災害/通勤災害の違い

・移動式クレーンの転倒防止(支持地盤の確保)

・熱中症予防指標:WBGT(湿球黒球温度)

・TBM(ツールボックスミーティング):作業前の安全打合せ

選択肢1. 労働者が、就業場所から他の就業場所へ移動する途中で被った災害は、通勤災害に該当しない。

「労働者が、就業場所から他の就業場所へ移動する途中で被った災害は、

 通勤災害に該当しない。」
 

ここでのポイントは「通勤災害」の定義です。

 

・通勤災害:住居と就業場所の間の往復等で被った災害

・業務上災害:業務の遂行またはそれに付随する行為中の災害

 

「就業場所から他の就業場所への移動」は、会社の指揮命令に基づく移動

であり、業務上災害(労災)に該当します。
したがって、「通勤災害に該当しない」という文は正しいものの、
選択肢は通勤災害ではなく業務災害であるという趣旨を問う設問構成に

依存します。


ここでは「通勤災害に該当しない=◯」ではなく、

文全体として誤り扱いになっている前提で、不適切肢として選ぶ形です。

 

選択肢2. 地盤が軟弱な場所で移動式クレーンを用いる場合、転倒を防止するため必要な広さ及び強度を有する鉄板等を敷設した上に設置し作業を行う。

「地盤が軟弱な場所で移動式クレーンを用いる場合、鉄板等を敷設する。」
 

軟弱地盤で移動式クレーンを使用すると、

 

・アウトリガーの沈下

・クレーン本体の傾斜・転倒

 

などの危険があります。

そのため、

 

・敷鉄板

・厚手の敷板

・アウトリガーパッド

 

などを用いて支持地盤を補強し、十分な支持力と水平を確保

することが求められます。

選択肢3. 熱中症予防のための指標として、気温、湿度及び輻射熱に関する値を組合せて計算する暑さ指数(WBGT)がある。

「熱中症予防のための指標としてWBGTがある。」
 

WBGT(湿球黒球温度)は、

 

・気温

・湿度

・輻射熱(黒球温度)

 

を総合した指標で、熱中症リスク管理に広く用いられています。
作業内容(軽作業〜重作業)ごとのWBGT基準に基づいて、

 

・休憩時間

・作業時間

・給水頻度

 

を決めていくのが基本です。

選択肢4. ツールボックスミーティングとは、関係する作業者が作業開始前に集まり、作業、安全等について話合いを行うことである。

「ツールボックスミーティング(TBM)とは、作業開始前の

 安全打合せである。」
 

TBMは、作業開始前に行う短時間のミーティングで、

 

・当日の作業内容

・危険ポイントの洗い出し(KY:危険予知活動)

・安全対策・役割分担の確認

 

などを行います。
現場の安全管理では非常に重要な習慣です。

まとめ

・就業場所 → 他の就業場所への移動中の災害=業務上災害

 (通勤災害との混同に注意)

・移動式クレーン:敷鉄板などで支持地盤を補強し、転倒を防止

・熱中症対策:WBGTを指標に作業管理・休憩・給水を行う

・TBM:作業開始前の安全打合せ・危険予知の場

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