2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問33 (ユニットD 問5)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問33(ユニットD 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

機器の据え付けに関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 防振基礎には、地震時の移動、転倒防止のための耐震ストッパーを設ける。
  • 建物内に設置する飲料用受水タンク上部と天井との距離は、600mm以上とする。
  • 機器を据え付けるコンクリート基礎は、水平に仕上げる。
  • 洗面器をコンクリート壁に取り付ける場合は、一般的に、エキスパンションボルト又は樹脂製プラグを使用する。

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この過去問の解説 (2件)

01

機器の据え付けに関する問題です。

選択肢1. 防振基礎には、地震時の移動、転倒防止のための耐震ストッパーを設ける。

問題文内容通りです

 

防振基礎は、標準の基礎に耐震ストッパーを設け、防振架台を間接的に固定します。

耐震ストッパーは、地震力の水平方向と鉛直方向の力に耐えるように設置し、耐震ストッパーと防振架台との間隙を機器運転時に接触しない程度の距離とします。

地震時に接触する耐震ストッパー面には、緩衝材を取付けます。

選択肢2. 建物内に設置する飲料用受水タンク上部と天井との距離は、600mm以上とする。

建物内に設置する飲料用受水タンク上部と天井との距離は、1000mm以上とする

 

給水タンク外部の保守点検作業が容易にできるために、給水タンク周囲には点検空間が必要になります。

天井面からタンクまでは、1000 mm以上の空間を確保します。

・壁面と底面からは、600 mm以上の空間を確保します。

・屋内の設置場所で、建築構造物に天井梁がある場合や、壁面に柱等のある場合には、給水タンクの端から、450 mm以上の空間を確保します。

選択肢3. 機器を据え付けるコンクリート基礎は、水平に仕上げる。

問題文内容通りです

 

基礎コンクリートの大きさは、機械が載るだけの広さとし、非常時の出水などに対して、床部分より1段高くします。

基礎表面は、モルタル塗りとして、据付け面を水平に仕上げます

選択肢4. 洗面器をコンクリート壁に取り付ける場合は、一般的に、エキスパンションボルト又は樹脂製プラグを使用する。

問題文内容通りです

 

壁付けの手洗器や洗面器の据付けの留意点は以下です。

1) コンクリート壁に取付けるときは、エキスパンションジョイントボルト、あるいは樹脂製プラグを使用して取付けます

2) 軽量鉄鋼ボードや金属製パネルに取付けるときは、鉄板かアングル加工材をあらかじめ取付けておきます。

3) 所定の位置や高さにブラケットかバックハンガーを取付けます。

4)  バックハンガーは、取付ビスかAYボルトで固定します。

5) 水平で、壁とのすき間が無いように固定します。

6) 取り付け高さは、床面より前縁上端まで、手洗器は 800 mm、洗面器は 750 mmとします。

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02

機器の据え付け問題の定番ポイントは以下です。

・防振基礎:防振+耐震の両立(耐震ストッパーが必須)

・受水タンク:周囲・上部の点検空間の基準寸法

・機器基礎:天端は水平に仕上げる

・壁付け洗面器:あと施工アンカーは“金属系アンカー”(樹脂プラグはNG)

 

特に、受水タンク上部の空間寸法(1000mm以上)と、
洗面器固定に樹脂製プラグが不適切という点がよく出るひっかけです。

選択肢1. 防振基礎には、地震時の移動、転倒防止のための耐震ストッパーを設ける。

「防振基礎には、地震時の移動・転倒防止のため耐震ストッパーを設ける。」
 

防振ゴムや防振架台で機器を“浮かせる”と、地震時にはかえって

動きやすくなるため、

 

・防振装置とは別に、耐震ストッパー(変位制限金物)を設置

・通常運転時には接触しないようクリアランスを確保

・接触部には緩衝材を装着

 

といった方法で、防振と耐震の両立を図ります。

選択肢2. 建物内に設置する飲料用受水タンク上部と天井との距離は、600mm以上とする。

「建物内に設置する飲料用受水タンク上部と天井の距離は 600mm 以上

 とする。」
 

屋内受水タンクまわりの標準的な点検空間は、

 

・上部(タンク天端〜天井):1000mm以上(1m以上)

・側面(タンク外面〜壁):600mm以上

・底面(タンク底〜床面):600mm以上

 

とされるのが一般的です。

 

タンク上部は、

 

・人が頭を入れて点検・清掃できる

・マンホールの開閉が可能

 

である必要があるため、600mmでは不足で、1000mm以上が必要です。

したがって、この記述は誤りとなります。

選択肢3. 機器を据え付けるコンクリート基礎は、水平に仕上げる。

「機器を据え付けるコンクリート基礎は水平に仕上げる。」
 

ポンプや送風機などの基礎は、

 

・モルタルなどで天端を水平に仕上げ

・アンカーボルト・レベリングボルト・グラウトなどで芯出し・

 レベル調整

 

を行います。


基礎が水平でないと、機器にねじれ・偏荷重が生じ、

振動・騒音・早期故障の原因となるため、
「水平仕上げ」は基本中の基本です。

選択肢4. 洗面器をコンクリート壁に取り付ける場合は、一般的に、エキスパンションボルト又は樹脂製プラグを使用する。

「洗面器をコンクリート壁に取り付ける場合、エキスパンションボルト又は

 樹脂製プラグを使用する。」
 

洗面器は、人が体重をかけることも想定されるため、

 

・エキスパンションアンカー(金属拡張アンカー)

・ケミカルアンカー(接着系アンカー)

 

など、高い引抜き耐力を持つ金属系後施工アンカーを使用する

のが原則です。

 

一方、樹脂製プラグ(プラスチックアンカー)は軽量物用で、

洗面器には強度不足です。
したがって、「エキスパンションボルト又は樹脂製プラグ」

という書き方は厳密には誤りです。

 

※ただし、ユーザー提示の前提では「1つだけ選ぶ形式」のため、
ここではより典型的な誤りである②を正解として扱います。

まとめ

・防振基礎:防振ゴム+耐震ストッパーで防振と耐震を両立

・受水タンク上部の点検空間:1000mm以上(600mmは不足)

・機器基礎:天端は水平に仕上げるのが原則

・洗面器固定:金属系アンカーが標準

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