2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問37 (ユニットD 問9)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問37(ユニットD 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

渦巻ポンプの試運転調整に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • ポンプを手で回して回転むらがないか確認する。
  • 瞬時運転を行い、ポンプの回転方向を確認する。
  • メカニカルシール部からの水滴の滴下が一定量継続してあることを確認する。
  • 軸受け温度が周囲空気温度より過度に高くなっていないことを確認する。

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この過去問の解説 (2件)

01

渦巻ポンプの試運転調整に関する問題です。

選択肢1. ポンプを手で回して回転むらがないか確認する。

問題文内容通りです

 

ポンプを手で回して回転ムラがないか確認し、グランドパッキンの締付け状態をチェックします。

選択肢2. 瞬時運転を行い、ポンプの回転方向を確認する。

問題文内容通りです

 

吐出弁を閉め、瞬時起動を行って、回転方向を確認・点検します。

選択肢3. メカニカルシール部からの水滴の滴下が一定量継続してあることを確認する。

メカニカルシール部からの水滴の滴下がないことを確認する

あるいは

グランドパッキン部からの水滴の滴下が一定量継続してあることを確認する

 

メカニカルシールはポンプの軸封として用いられ、軸と一体で回転する回転リングとパッキン箱の意固定されたシートリングを、軸と直角な摺動面で滑らせて漏えいを防止します。

ポンプの漏洩量は、1.2 ml/日程度です。

 

グランドパッキンは、内部が大気圧より高いときには、パッキンで液体漏えいを防止します。

グランドパッキン式は、連続滴下程度の水が外部に漏れる状態に保つ必要があり、パッキンを締め付けすぎるとパッキンが発熱し、寿命が短くなります。漏えい量は、0.5ml/s程度です。

選択肢4. 軸受け温度が周囲空気温度より過度に高くなっていないことを確認する。

問題文内容通りです

 

軸受温度は原則として周囲空気温度より40℃以上高くなってはならないため、軸受温度を点検・確認します。

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02

渦巻ポンプの試運転で重要な点を示します。

・手回しで回転むら・干渉の有無を確認

・瞬時運転(ジョグ運転)で回転方向を確認

・軸封の種類と正常状態の違い
 ・メカニカルシール:ほとんど漏れないのが正常
 ・グランドパッキン:連続滴下が必要

・軸受温度が異常に高くなっていないか監視

選択肢1. ポンプを手で回して回転むらがないか確認する。

「ポンプを手で回して回転むらがないか確認する。」
 

試運転の前に、

 

・手で回して引っ掛かりの有無

・干渉・異音・回転むら

 

などを確認します。ここで異常があれば、芯出し・内部部品・

カップリングなどを点検し直す必要があります。

選択肢2. 瞬時運転を行い、ポンプの回転方向を確認する。

「瞬時運転を行い、ポンプの回転方向を確認する。」
 

吐出弁を閉じた状態で瞬時運転(ジョグ運転)を行い、

モーター・ポンプの回転方向を確認します。

 

渦巻ポンプが逆回転すると、

 

・吐出不能

・異音・振動

・軸受・メカニカルシールの損傷

 

など重大なトラブルにつながるため、必ず実施すべき重要工程です。

選択肢3. メカニカルシール部からの水滴の滴下が一定量継続してあることを確認する。

「メカニカルシール部からの水滴の滴下が一定量継続してあること

 を確認する。」

 

メカニカルシールは「ほとんど漏れない」のが正常です。
わずかなにじみがある程度で、連続的に滴下するのは異常です。

一方、連続滴下が必要なのはグランドパッキン式で、

 

・適度な漏れ(水滴)により冷却し、摩耗を抑える

 

という考え方です。
ここでは、メカニカルシールとパッキンを取り違えた誤りと

なります。

選択肢4. 軸受け温度が周囲空気温度より過度に高くなっていないことを確認する。

「軸受け温度が周囲空気温度より過度に高くなっていないことを

 確認する。」
 

軸受(ベアリング)は、過負荷・芯ずれ・潤滑不良などがあると

過熱しやすい部分です。

 

・周囲温度より著しく高い

・手で触れないほど熱い

 

といった状態は異常のサインで、原因調査が必要です。
試運転中は振動・異音と併せて重点的に監視します。

まとめ

・手回しで回転むら・干渉の有無を確認

・瞬時運転で回転方向を確認し、逆回転を防止

・メカニカルシールは「ほぼ無漏れ」が正常。連続滴下は異常 

・軸受温度が周囲より過度に高くないか必ず確認

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