2級管工事施工管理技士 過去問
令和5年度(2023年)後期
問38 (ユニットD 問10)

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問題

2級管工事施工管理技士試験 令和5年度(2023年)後期 問38(ユニットD 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

風量調整等に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
  • 吹出口や吸込口の風量測定を行う場合は、補助ダクトを用いて行う。
  • ダクト内の風量は、ダクト内の風速を測定して求める。
  • 風量調整は、給排気口のシャッターや分岐部の風量調整ダンパーを全閉にした後に行う。
  • 風量調整は、機器の試験成績表、ダクト図、風量計算書等を用いて行う。

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この過去問の解説 (2件)

01

空気調和設備の風量調整等に関する問題です。

選択肢1. 吹出口や吸込口の風量測定を行う場合は、補助ダクトを用いて行う。

問題文内容通りです

 

吹出口や吸込口の風量測定は、偏流や乱流の状態に応じて、フェースの複数点の風速を測定し、全体平均を求めてから断面積を乗じ、風量を求めます。

しかし、測定点が多いため、ホッパーを用いて、測定すれば測定点数は大幅に減ります。

選択肢2. ダクト内の風量は、ダクト内の風速を測定して求める。

問題文内容通りです

 

ダクト内の風量は、ダクトを等断面積に区分し、各中心風速を測定して全体の平均を求め、断面積を乗じて風量を求めます。

選択肢3. 風量調整は、給排気口のシャッターや分岐部の風量調整ダンパーを全閉にした後に行う。

風量調整は、給排気口のシャッターや分岐部の風量調整ダンパーを全開にした後に行う

 

・風量調整は、各吹出口と還気口のシャッター、各分岐とチャンバーなどの風量調整ダンパーを全開とします。

・機器の吐出風量調整主ダンパーを全閉で始動はじめて徐々に開き、操作電流値から主ダンパーを調整して設計値にセットします。

・各吹出口、還気口の風量を測定します。

・全吹出口の風量合計と、送風機風量を比較し、ダクトの漏れ量を推定して、主ダンパーを再調整します。

選択肢4. 風量調整は、機器の試験成績表、ダクト図、風量計算書等を用いて行う。

問題文内容通りです

 

風量調整の準備として、送風機の工場試験表、ダクト系統図、設計と実測の空気収支集計表を準備してから風量調整を行います。

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02

風量調整(エアバランス)の基本は次の3点です。

1.風量測定の基本式:Q=V×A(平均風速×断面積)

2.調整手順:全シャッター・ダンパーを「一旦全開」にして、不利側末端

  から順に絞る

3.調整時には、機器試験成績表・ダクト図・風量計算書などの資料を必ず参照

 

選択肢1. 吹出口や吸込口の風量測定を行う場合は、補助ダクトを用いて行う。

「吹出口や吸込口の風量測定を行う場合は、補助ダクトを用いて行う。」
 

吹出・吸込口周辺は乱流が多く、点測定では誤差が大きくなります。

そのため、

 

・補助ダクトを密着させて整流して測定する方法

・フード式風量計(ホッパー型)

 

などを用いて風量を測定するのが標準的です。

選択肢2. ダクト内の風量は、ダクト内の風速を測定して求める。

「ダクト内の風量は、ダクト内の風速を測定して求める。」
 

ダクト内風量は、

 

Q=V×A(風量=平均風速×ダクト断面積)

 

で求めます。


断面の複数点を測って平均風速を求める「トラバース法」が標準的で、

ピトー管+微差圧計などを用います。

選択肢3. 風量調整は、給排気口のシャッターや分岐部の風量調整ダンパーを全閉にした後に行う。

「風量調整は、給排気口のシャッターや分岐部の風量調整ダンパーを

 全閉にした後に行う。」
 

正しい手順は、

 

1.すべてのシャッター・ダンパーを「いったん全開」にする

2.最も不利側の末端系統から、必要な風量になるまで

  少しずつ絞る

3.上流側に戻りながら、順次調整

 

という流れです。

最初に全閉にしてしまうと、

 

・風が流れず、設計風量への合わせ込みが困難

・静圧・騒音の不均衡が出やすい

 

などの問題が発生するため、誤った手順です。

選択肢4. 風量調整は、機器の試験成績表、ダクト図、風量計算書等を用いて行う。

「風量調整は、機器の試験成績表、ダクト図、風量計算書等を

 用いて行う。」
 

風量調整は“設計値との比較”が前提となるため、

 

・送風機の試験成績表(風量-静圧特性)

・ダクト図(系統・分岐構成)

・風量計算書(設計風量)

 

などを参照しながら調整します。結果は調整報告書にまとめる

のが一般的です。

まとめ

・吹出・吸込口:補助ダクト法・フード方式で測定

・ダクト内:平均風速×断面積で風量を算出

・調整は「全開スタート → 末端から順に絞る」が鉄則。

 全閉スタートは誤り

・調整には試験成績表・ダクト図・風量計算書等が必須

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